第2回代表者の戯言 どうして在庫は狂う?すべての工程と可能性を検討してみよう
物流会社の抱える大きな問題の一つに、【在庫数が合わない】という問題があります。その問題について、実際、私が物流業にいたときに思ったことをもとにしてソフトウェア側と倉庫側で検討してみましょう。
【仕入れでのミス】
物流倉庫でよくあるのが仕入れミスです。通常の商品ならば間違えることがほぼ、ないのですが、(それこそJANコード管理でQRコード読み取り機などを利用している場合)間違えやすいのが、やたらと細かい商品や一つの段ボール箱の中に10個入りと記載されているような商品です。私が経験したことは、スプレー缶10個が入っていると思われる段ボールが入荷してきました。伝票上も【xxスプレー10個入り】と書かれてありました。ふと思ったのは、「10個入りにしては何か軽いような気がするな」でした。普通はこのようなことはしないのですが、ちょっと中を開けてみて確認してみよう、と思ったわけです。中には6個しかスプレー缶が入っていないではありませんか。慌てて営業担当に連絡し、販売先に連絡してもらいました。つまり、10個入り、と書かれてあるとしてもそれを信じてはならないのです。とくに、シビアな在庫カウントが求められるような物流会社ならば。
【事務側でのミス】
物流側のカウントが終了しますと、その伝票は事務側に回ります。ここでもミスは置きます。例えば下記のような可能性があります。
(真実)xxガム 120個仕入れ→(事務側のミス)xxガム 12個仕入れ
この逆もあり得るでしょう。つまり、事務側での入力ミスです。また、入力のし忘れもあり得ます。
【発送時の梱包エラー】
商品の注文が成立し、発送が決まれば物流側が出荷をすることになります。例えばお客様がxxジュースを8個注文した場合、xxジュースが8個お客様側に到着すれば問題ないのですが、問題は、ミスでxxジュースが10個など、お客様に発送されてしまう場合を検討しなくてはなりません。その場合、すごく良心的なお客様ならば、会社側に連絡してくれるでしょう。そして差数の2個を着払いにてご返品いただけるものと思います。しかし、そうではない場合もありますね。
また、こんな可能性もあります。お客様がxxジュースを8個注文し物流のミス6個しかお客様側に到着しなかった場合です。通常ならばこの場合はお客様側からご指摘があるでしょう。しかし、お客様が気づかなかった場合や面倒だから連絡しなかった場合もありえますよね。
【あまりこのことは検討したくないのですが】
物流会社で検討しなくてはならないのは、従業員が意図的に商品を盗む場合です。この場合はどうしても在庫が合わなくなります。日頃から従業員のマナー徹底、監視カメラの設置、盗難があった場合には必ず警察に相談することを周知徹底するしか方法はないです。性善説では会社は成り立ちません。
【ソフトウェア側の問題】
ソフトウェアを制作している私が言うのもおかしな話なのですが(もちろん、このようなことが無いようにソフトウェア制作時には細心の注意を払っておりますが)ソフトウェアのバグに起因することがあります。例えば、在庫の計算処理方法に問題がある場合など、です。このバグがあった場合には、早急にベンダーにご連絡してください。
【電気に起因する問題】
例えばソフトウェアを使用中になんらかの停電が起きてしまい、サーバー等が一時的に停止してしまう、ということも想定しなくてはなりません。そのようなことが無いようにGPS電源を利用する、複数台のサーバーを利用する、などの対策をしたいところです。ただし、費用がどうしても高くなってしまいます。
【ウィルスによる問題】
例えば、ウィルス攻撃により、サーバーのデータベースが改変されてしまうリスクがあります。これを避けるために、サーバー内のデータは外部に公開しない設定にする、などの方法があります。
【悪意ある従業員による改ざん】
これもあり得ます。(あまりこのことは検討したくないのですが)の項目と同じように、普段より従業員のモラル教育を徹底すること、データベースにダイレクトに触れる可能性がある場合には、いつ、誰が、何の目的のためにダイレクトにデータベースに触れたのか、をすべて記録できるようなシステムに改修を行うべきです。
2024/05/22up